不整脈(心房細動)について

不整脈(心房細動)とは

不整脈の一種で心臓の心房という部分がブルブル痙攣したように なり、規則正しく拡張と収縮ができなくなった状態を言います。心房細動自体はすぐに命に関わる病気ではありませんが、それが原因で心房内に血栓が出来て脳梗塞を引き起こしたり、心臓の機能が低下することで心不全をおこしたりすることがあります。心房細動は不整脈の中で最も多くみられ、日本では生活習慣の欧米化に伴い患者数は年々増え続けています。特に高齢者に多く、今後高齢化社会が進むにつれて、ますます患者数は増加していくでしょう。

不整脈の症状

脈が飛ぶ、動機、息切れ、めまい、ふらつき、疲労感、胸痛や不快感が挙げられます。しかし、無症状で普段の生活の中では自覚しにくく、定期検診の心電図検査などで初めて見つかるケースも少なくはありません。
また、心房細動が続くと心房内に血栓が出来やすくなり、心房内で出来た血栓が血流に乗って脳の血管に移動し、脳の血管を詰まらせて脳梗塞に繋がることがあります。振動細動から脳梗塞を起こしてしてしまった患者さんは重症化しやすく、命に関わるだけではなく、重い後遺症が残り寝たきりや要介護が必要になる可能性が高くなります。また、心房細動がある人で脳梗塞を一度起こした人は、脳梗塞を再発するリスクが高くなり、さらに重症化しやすいといわれています。

不整脈の原因

心臓の病気がある人や高血圧の人など心臓に病気があって心房細動が起きる場合と、生活習慣の乱れなど心臓とは直接関係ない場合と2つに分かれます。

引き金になる心臓の病気

高血圧・心不全・狭心症・弁膜症・心筋梗塞

心臓とは直接関係ない原因

加齢・肥満・糖尿病・甲状腺機能亢進症・ストレス・アルコール・喫煙

不整脈の治療

まず、心房細動が発作性か慢性性か、その他心疾患は無いかで治療法を決めていきます。発作性の場合は心房細動の停止と再発予防、血栓を防ぐ治療を行い、慢性的な場合は心拍数の調整と血栓を防ぐ治療を行います。また、原因となる心疾患がある場合は、その疾患と心房細動の治療を合わせて行います。心房細動の具体的な治療内容としては、食事や運動などの生活習慣の改善や、薬物治療、電気ショックによる治療、カテーテルによる治療が挙げられます。
心房細動の薬による治療は4パターンに分けられます。

  1. 血栓を予防する薬:抗凝固剤
  2. 心房細動の再発を予防する薬:抗不整脈薬
  3. 心房細動を停止する薬:抗不整脈薬
  4. 心房細数を調整する薬

脳梗塞が起こることを抑える効果ある「抗凝固剤」は、血を固まりにくくする採用があるため、「出血しやすい」「血が止まりにくい」状態になります。その為、服用時に「ひどい頭痛」「悪心(吐き気)・嘔吐」「血便・血尿」などの症状が現れた場合は、脳や内蔵など見えない部位で出血が起こっている可能性がありますので、すぐに病院で診察を受けましょう。その他にも「歯ぐきからの出血」「鼻血」「皮下出血」などの軽い症状でも、ご自身の判断で服用を止めたりせずに医師に必ず相談しましょう。